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2023年度 理事長基本方針
2023年度 理事長基本方針

 

THEME

 

共 感

~幸せを実感できる組織へ~

 

第65代理事長 宮﨑 大輔

はじめに

「理念なき行動は凶器、行動なき理念は無価値」
この言葉は日本を代表する自動車メーカーHONDAの創業者、本田宗一郎氏の言葉であります。
組織には理念が必要です。理念とは、何のためにこの組織が存在するのか、それを明確にした目指すべき理想なのです。理念がなくても組織は回りますが、具体的な理想のイメージがないため、目の前の選択肢から自分たちに都合のよい方を選んでしまいます。逆にいくら綺麗な理想を並べても、それを実現するための強い信念を掲げ、情熱を持ち、それに向かって歩まなければ何も変えることはできません。また、VUCA時代と呼ばれる予測が困難な現代は、これまでの経験や常識だけでは課題解決が難しく、理念がないと組織として一貫した行動ができません。だからこそ我々はJCの理念である「明るい豊かな社会の実現」をメンバー全員が理解して共感することで、理想を目指すことができ、力強い運動が展開できるのです。そして、この時代を生きる青年経済人として、一人ひとりが自主的に考え対話し、協働することにより運動が自律的に展開していく自走型組織に変革できると確信しています。
さあ、誰もが幸せを実感できる自走する組織を共に創ろうではありませんか。

 

神戸青年会議所の軌跡に共感

1958年、51名のメンバーが全国で143番目のLOMとして神戸青年会議所を設立しました。その際に、秋田博正初代理事長は「自己研鑽をしながらメンバー一同が親しく団結し、友情を深めることを一番に願うとともに、研鑽に当たってはまず経済的な問題を指向し、若さによる血気は必要だが、甘えのないしっかり地に足のついたJCであってほしい」との想いを込められました。その想いは脈々と受け継がれ、今も我々の胸に深く刻まれています。幾多の試練を乗り越え、信頼を育み、今日までご尽力いただいた先輩諸兄姉の功績があったからこそ、65周年を迎える本年も私たちは運動を展開することができます。このALL KOBE JAYCEESの団結力を礎に共感を得られる事業を行います。
また、我々には日本全国はもとより世界にも志を同じくする多くの同志がいます。友好・ 姉妹JCや出向の歴史を紐解き、いかなる時もたゆまぬ努力により、JCIの信条に則った相互理解と信頼を深める絆を築いてこられた諸先輩方に感謝するとともに、この歴史と友情を次世代へ紡いでいきます。

 

青年会議所の理念に共感

我々は青年会議所の理念である「明るい豊かな社会の実現」のために日々運動を展開しています。まずは理念に共感するメンバーを募り、多様な価値観を受け入れる寛容な組織風土を醸成することで、組織にパラダイムシフトが起こり、地域課題の新たな解決方法を見出せる組織へと発展することができます。メンバーが自らの言葉でJCの理念を語ることで、理念への共感が拡大し、理念を行動に移し実践することにより、メンバーの持つ多様な個性が躍動します。その結果、JAYCEESの持つ魅力やJCの組織力を最大化することができ、誰もが幸せを実感できる組織へと進化します。
市民に地域を幸せにする運動へ参画していただくには、その運動を身近に感じる広報活動が必要です。街に幸せを伝播させることによりJCへの共感の輪は広がり、地域の絆がより強固なものになると確信しています。

 

神戸の街に共感

1868年の開港以来、神戸の街は世界の玄関口として様々な異国の文化を受け入れることにより、日本の近代化を牽引し発展してきました。海と山に囲まれ、自然と都会が共存するコンパクトシティは他に数多くありません。地域の未来を担う青年経済団体である我々は、行政・各種団体・企業と連携を取り協働することでこの魅力を最大限に活用しなければなりません。
JCI神戸が主として開催している「海・港」に感謝を捧げる祭り「Kobe Love Port・みなとまつり」は市民が参加する祭りから、参画する祭りへと変革を遂げ、市民が主役になり、近隣地域からも愛され続ける祭りにします。
また、秋に開催する「Autumn Festival in KOBE」では、地域の輝きを集積し、神戸らしさを発信する場をつくり神戸の魅力を市内外に発信することで、街の発展に寄与できると考えます。

 

神戸の未来に共感

近年は、育児と介護の両立や働く人のニーズの多様化などにより様々な働き方が浸透し、個人の人生とキャリアの両立がしやすくなりました。その反面、地域コミュニティの希薄化が進み、地域の未来を担う子供たちが、安心して過ごせる場が減少しています。また、地域社会に好循環サイクルを生み出すために、定年を迎えた世代の方々にも仕事以外の新たな幸せを感じていただける機会を提供し、多世代交流ができる地域コミュニティを創造します。
我々は神戸の街の発展のため、JCI神戸の目指すべき姿を模索して中長期的な観点から議論を重ねてきました。JCI神戸が地域から必要とされる組織へと進化するために、我々が描いた未来を内外へ発信することで新たな共感を生み出していきます。

 

組織に共感

戦後、大量生産・大量販売の産業革命が起こり労働生産性は大きく向上しました。しかし、今や情報革命による経済・社会の変革に伴い、人々の価値観や組織の形も大きく変化を遂げています。一人の青年経済人でもあるJCメンバーにおいても、家庭や社業を両立させながらJC活動を行う中で、活動の生産性は非常に重要です。活動の生産性をさらに向上させるには、組織がメンバーを統制管理する管理型組織から、時代の変化に伴いパーパスや価値観を共有する自走型組織へ移行しなければなりません。自走型組織への変革を成功させるには、まずは個人の意識改革から始まり、次に組織改革へと広げていく必要があります。さらにメンバーの心理的安全性を確保し、選択理論を活用したコミュニケーションに変えていかなければなりません。そして、メンバー一人ひとりが自ら考え、自分の意志により行動を起こすことで、誰もが幸せを感じられる組織に進化することができます。

 

結びに

会社や組織に経営理念があるように、誰しも個人の人生理念があるはずです。その人生理念は歩んできた道によって人それぞれです。
私は、大学生のときに一度体を壊し療養生活を余儀なくされました。就職も決まっていましたが諦めざるを得ない状況となり、社会人生活に夢を描いていた私はどん底に落とされました。小さな頃から起業が夢だったこともあり、療養生活中には経営者たちが執筆した本を読みあさり、深く感銘を受けました。彼らは総じて自分の人生理念を持っており、それに向かって全力で挑戦し、その理念は利己的ではなく利他的で誰かのために何かをしたいという熱い情熱が感じられました。
それから数年後、私は神戸青年会議所に入会しました。そこで目にしたのは、先輩たちがたった1日の事業のために数か月も前から計画を立て、激論を交わし合っている姿でした。そのときは、何故こんなことに夜を明かすまでプライベートの時間を費やすのだろうと不思議でした。しかし、本番を迎え、事業が終わったときの皆の晴れ晴れしい顔や、参加してくれた人たちの楽しそうな笑顔を見たとき、過去に刺激を受けた経営者たちの利他の精神が詰まった言葉が脳裏に浮かびました。
この青年会議所の活動の根源もまた、誰かのために役に立ちたいという純粋な気持ちから芽生えたものなのです。
この想いに共感した私は、それから「私と関わる人を笑顔にする」を人生の理念としています。
我々JAYCEESが個人の人生理念を明確にしたうえで、JCの理念を理解、共感し地域をより良くする運動を行い、旋風を巻き起こすことにより、私たちの大切な街「神戸」はさらに「幸せを実感できる街」になると確信しています。

 

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