WAKAICHIKARA 2019 vol.94
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 神戸市のポートアイランドを中心とした神戸医療産業都市は国家戦略特区に指定されており、その進出企業数は増加の一途を辿っています。しかし、これまでに挙げた通り、現状の交通網でのその企業を受け入れることによる交通事情の悪化は避けなければなりません。そのためにも、代替路として大阪湾岸道路西伸部が機能することで、アクセス性が向上し、更なる企業進出を促進し、神戸の街がより魅力ある都市となります。 現在、幹線道路での渋滞箇所が広範囲に存在し、騒音・大気の環境基準超過箇所が多数存在していることが確認されています。この渋滞が緩和されることによって交通が分散され、沿道環境の改善が見込まれます。 現在、阪神高速3号神戸線の魚崎ランプより西側には事故の多い区間が点在し、その事故件数の50%以上で事故処理のために車線規制が行われます。それに伴い、一般道への交通が集中し、渋滞に巻き込まれた方も少なくはないのではないでしょうか。そのような事態をはじめ、阪神高速3号神戸線が通行不能になった際に、大阪湾岸道路西伸部が代替路として機能することで、渋滞緩和の一助となることでしょう。 現在、阪神高速3号神戸線の渋滞による損失時間は全国都市高速道路でワースト1位となっており、阪神間を移動するにあたり多大な時間を要することが課題となっています。今回の整備に伴い、移動時間が短縮されることによって国際コンテナ戦略港湾・阪神港や関西国際空港などへのアクセスが容易になり、物流の効率化が図られます。神戸のまちの未来を考える大阪湾岸道路西伸部■阪神高速3号神戸線の 事故件数内訳■大型車類のNOx排出係数■神戸医療産業都市の進出企業・雇用者数の推移■神戸市西区(玉津IC)▶▶▶神戸港■神戸市西区(玉津IC)▶▶▶大阪駅地域の活性化大阪湾岸道路は、神戸淡路鳴門自動車道(垂水ジャンクション)から関西国際空港(りんくうジャンクション)までを結ぶ全長約80kmの自動車専用道路であり、現在そのうち約59kmが開通しています。この未開通区間のうち、六甲アイランド北~駒栄(長田区)を結ぶ14.5kmが西伸されることとなっており、2018年12月22日には起工式が行われました。では、大阪湾岸道路西伸部が整備される事によって、どのようなメリットがあるのでしょうか。期待される4つのメリットをご紹介します。普段、車を利用される方に限らず、多様な目的で整備される大阪湾岸道路西伸部。今後、私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか。市民一人ひとりが関心を持って、その経過を見守っていきたいものです。H1320618326073851011251501702032182332712923163363447451,1551,6041,7572,0582,2002,8853,5934,3514,8905,4096,1417,0247,2009,2009,400H14H15H16H17H18H19H20H21H22H23H24H25H26H27H28H29H28年間事故件数1,075件10,0008,0006,0004,0002,0000(人)5004003002001000(社・団体)雇用者進出企業大阪湾岸道路西伸部都市計画決定(H21.3)進出企業雇用者数344社・団体9,400人(平成30年3月末)(平成30年3月末)進出企業は344社・団体[経済効果推計]整備前整備後 45分31分波及効果含む市内経済効果税収効果409億円13億円1,041億円35億円1,251億円45億円1,532億円53億円メリット4移動時間の短縮メリット1代替路の確保メリット2沿道環境の改善メリット314分短縮渋滞時36km/h車線規制あり585件54.4%車線規制なし490件45.6%渋滞解消時62km/h約30km/h速度向上 0.39g/km・台0.27g/km・台約30%減少整備前整備後 96分64分32分短縮出典:大阪湾岸道路西伸部事業パンフレット出典:大阪湾岸道路西伸部事業パンフレット出典:大阪湾岸道路西伸部事業パンフレット出典:大阪湾岸道路西伸部事業パンフレット12Kobe JC Wakai Chikara Vol.94 2019

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