WAKAICHIKARA 2019 vol.94
15/48

 1868年の開港以来、国際色豊かな港町として発展してきた神戸。日本の慣習にとらわれない取り組みで、独自の文化を築いてきました。 そんな神戸も現在は、人口の減少や高齢化に直面しています。 神戸市では、この課題に歯止めをかけるため、街と経済の持続的成長を視野に入れた『神戸都市ビジョン』を開設。 「若者に選ばれるまち・誰もが活躍できるまち」をめざし、都市インフラの強化や、人とアイデアの融合により新たな価値が創造される街になれるよう環境整備が進んでいます。 「美しき港町・神戸の玄関口」というテーマにふさわしい景観を整えるため、沿道の建物の外観に「景観デザインコード」を設定し、建築物や公共施設のデザイン誘導、屋外広告物のコントロールを行い、神戸らしさを感じられる風格ある街並みを誘導しています。 神戸の玄関口である三宮周辺地区の再整備については、その波及効果の高さから神戸のまちや経済全体を活性化するうえで不可欠です。民間活力の導入を図りながら、魅力的で風格ある都市空間を実現すべく、事業化を見据えたより具体的な検討を行い、神戸市において三宮周辺地区の『再整備基本構想』を策定しました。 神戸市は、三宮駅周辺では、神戸の象徴となる新しい駅前空間「えき≈まち空間」の核となる取り組みとして、人と公共交通優先の道路空間「三宮クロススクエア」の創出を掲げています。三宮交差点を中心にフラワーロードと中央幹線の一部において「人と公共交通優先の空間」を創出することで「えき」と周辺の「まち」を繋ぐとともに、日常的なにぎわいを生み出そうとしています。【三宮中央通り沿道地区】 このような取り組みの中で、三宮中央通り沿道地区では、統一された街並みや、連続する低層部のにぎわいなど、歩く楽しさを誘導し回遊性を高めるために様々な取り組みが行われています。 昨年、神戸青年会議所は創立60周年を迎えました。 我々の過去60年間における活動は常に神戸のまちの発展を願い、神戸のまちと共に歩んできました。そこで神戸のまちの人が利用する中央通り地下通路に60周年記念シンボルとしてパネルボードを設置しました。(デザインは神戸市内の学校からの一般公募により作品を募集しました。神戸市のご協力のもとで設置し、産学連携ができました。) ここを通る人々に「にぎわい」と「いこい」を感じさせる場を作ることで、神戸のまちの素晴らしさを幅広い層の方に興味を持ってもらい、公共地下空間が活発に利用されるようにという願いが込めらてれています。都心・三宮再整備KOBEVISION神戸青年会議所60周年記念シンボル三宮と元町を繋ぐ三宮中央通りの結節点に位置し、地上と地下を繋ぐ半地下屋外広場〈三宮プラッツ〉。様々なイベントが催されています。記念シンボル竣工式の様子道路上の余剰空間を公共空間に変える《道路のリデザイン》効果が期待される〈神戸パークレット〉車道の一部を利用した設置は日本初の取り組み。13Kobe JC Wakai Chikara Vol.94 2019

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る