WAKAICHIKARA 2019 vol.94
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すぐに、同じ神戸出身の経営者仲間と自分たちの力で神戸のまちのために何かしようと話し合い、そこから生まれたのが「神戸モトマチ大学」のアイデア。自分の街のためにできること。「学ぶ場を通して、人の繋がりをつくり、まちのことを皆で考えられる空気をつくりたい」という強い思い。神戸モトマチ大学が神戸のビジョンをつくっていくのかもしれません。街がキャンパス!話で輪を繋げるソーシャルカレッジ。神戸のソーシャルカレッジ「神戸モトマチ大学」どんな大学?代表の村上豪英氏にお話を伺いました。設立の経緯は? 2010年、日本青年会議所「地域のたから」創造会議の副議長に就いていたときに、同青年会議所発行の書籍「人の絆がまちをデザイン」編集責任者として関わりました。 当時の会頭がよく口にしていたのが「社会関係資本(ソーシャルキャピタル)」という言葉です。 「人と人の関わりが街の発展にどのような影響を及ぼすのか」というテーマで研究しました。 そして翌年、同青年会議所「地域の誇り」復活推進会議の議長として地域の街づくりを支援する役に就きましたが、その矢先に東日本大震災が発生しました。そこで思い知らされたのが、自分の街も震災にあったのに、どの様に復興したのか何も知らず、また神戸の街の発展に自分が何かできることがあるのではないかと考える様になりました。なぜこのような形をつくったのでしょうか? 神戸で頑張っているリーダーを講師として招き、地域の人々と自然に繋がれる様な場を作りたいと思いました。 目的は「人と人が繋がること」ですから、理想の参加者数は30人くらいです。本当に講義のテーマに関心のある人に来てほしいと思ってます。「関心のないときには来ないでほしい」と言っているくらいです(笑)。 講師は新しい繋がりを作ることが目的なので毎回違う方をお招きし、これまでだいたい150名が講師として来てくれています。 以前はファミリアホールで開催していましたが、現在は固定せず、講義の形にともなって様々な場所で開催しています。今後は会場を含めて様々なアプローチを考えています。神戸のまちの発展に必要な要素とは? ビジョンの共有だと思います。以前訪れたオーストラリアのメルボルンは「住みやすい街にしよう」というビジョンを掲げ、この20年ほどでとても魅力的な街になりました。神戸も小さい街ですから、神戸はこうあるべきとビジョンを固め、皆で同じ方向を向くことが非常に大切ではないかと思います。神戸モトマチ大学代表 村上 豪英(むらかみ たけひで)氏1972年神戸生まれ。京都大学大学院理学研究科修了。シンクタンクに勤務。現在は株式会社村上工務店の代表取締役社長。2010年日本青年会議所「地域のたから」創造会議副議長、2011年日本青年会議所「地域の誇り」復活推進会議議長、2012年神戸青年会議所理事長。2011年より神戸モトマチ大学代表。35Kobe JC Wakai Chikara Vol.94 2019

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